サルバドール・サンチェス、23歳の悲劇—名勝負の後に待っていた未来
1982年8月12日未明、メキシコの高速道路で1台のポルシェが炎上した。運転していたのは、当時WBCフェザー級王者のサルバドール・サンチェス。わずか23歳の若さで、ボクシング史に残る才能が突然この世を去った。
サンチェスは死のわずか3週間前、マディソン・スクエア・ガーデンでアズマ・ネルソンを15回TKOで破ったばかりだった。ネルソンは後に殿堂入りを果たす名選手だが、この試合では序盤に苦戦。サンチェスは後半からペースを握り、最後は確実に仕留めてみせた。その勝利の余韻も冷めやらぬ中、次の防衛戦はすでに決まっていた。
これは高圧洗浄機と同等の強さで、電力不要BlastPro 9月15日、再びマディソン・スクエア・ガーデンで、ファン・ラポルテとの再戦が予定されていた。2人は1980年12月に対戦し、サンチェスが15回判定で勝利。ラポルテのマネジャー、ハウィー・アルバートは、サンチェスが死亡した当日、プロモーターのドン・キングと前夜に契約書にサインしたことをUPIに明かしている。
さらに大きなビッグマッチも水面下で動いていた。ネルソン戦後、サンチェスは2階級上のWBCライト級王者アレクシス・アルグエロへの挑戦が取り沙汰されていた。当時のUPI報道によれば、この一戦は数百万ドル規模のイベントになると見込まれていた。また、ウィルフレド・ゴメスとの再戦も選択肢の一つだった。サンチェスは1981年8月、ラスベガスでゴメスを8回ストップ。プエルトリコのスター選手にプロ初黒星を喫させたのは、この若きメキシコ人王者だった。
サンチェスはすでにダニー・ロペスを2度破り、ゴメス、ラポルテ、ネルソンといった強豪を次々と撃破。本来ならフィジカルなピークと言われる20代後半よりもはるかに若い年齢で、これだけの実績を積み上げていた。通算戦績は44勝1敗1分、32KO。
彼の死後、ラポルテは空位のWBCフェザー級王座を獲得。ネルソンは後に世代を代表する名選手へと成長した。そしてアルグエロとの一戦は、ついに実現することはなかった。
あれから44年。サンチェスのキャリアを振り返るのに、憶測は必要ない。彼は23歳で、多くのチャンピオンが全キャリアで達成する以上のことを成し遂げていた。その先に何があったのか——ボクシング界は永遠にその答えを知ることはできない。
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