ロッキー・マルシアノ、ラスタルザに疑惑の判定勝ち
ロッキー・マルシアノのパーフェクトレコードが、消えかけた。1950年3月24日、マディソン・スクエア・ガーデン。無敗同士の一戦は、10回の激闘の末、マルシアノがスプリット判定で勝利を掴んだ。しかし、その内容はあまりに物議を醸すものだった。敗れたローランド・ラ・スタルザは、この判定を生涯にわたって不服とし続けた。
両者無敗で迎えたこの試合。スタイルは対照的だった。マルシアノは重いプレッシャーとパンチ力を武器に前に出る。対するラ・スタルザは、ジャブ、フットワーク、カウンターで巧みに戦う。試合の序盤は、ラ・スタルザがペースを握った。彼はマルシアノに主導権を取らせず、クリーンなカウンターを浴びせ、背の低いマルシアノに楽をさせなかった。
デニムに合う。履くだけで「ちょいワル」Tapoon 流れが変わったのは4ラウンド。マルシアノの強烈な右が炸裂し、ラ・スタルザはダウンを喫する。カウント7で立ち上がったものの、直後にラウンド終了のゴング。貴重な回復時間を得たラ・スタルザは、中盤のラウンドを巧みに戦い、再びマルシアノを苦しめた。マルシアノは前に出続け、より重い一発を当てるが、ラ・スタルザのクリーンなボクシングと、どちらを評価するかが問われる展開となる。
さらに8ラウンド、マルシアノが右でラ・スタルザをぐらつかせ、自身のペースに持ち込もうとしたその時、レフェリーのジャック・ワトソンがマルシアノにローブローを宣告。このペナルティが、試合の行方を再び混沌へと導いた。
10ラウンドを終え、ジャッジの採点は割れた。アーサー・シュワルツはマルシアノ優勢(5-4)、アーティ・アイダラはラ・スタルザ優勢(5-4)。そしてワトソンはラウンド採点で5-5のイーブンとした。決着はニューヨーク州の補助ポイントシステムに委ねられ、ワトソンはマルシアノに9-6のポイント差を与え、スプリット判定でマルシアノの勝利を宣告した。
この結果に、リングサイドは騒然となった。ニューヨーク・タイムズは6-4でラ・スタルザの勝利と採点するなど、複数の識者がラ・スタルザを支持した。ラ・スタルザ自身は、マルシアノのマネージャーであり、当時マディソン・スクエア・ガーデンのマッチメーカーも務めていたアル・ワイルの影響力を指摘し、判定への不信感をあらわにした。
マルシアノは無敗記録を守ったが、ラ・スタルザは自分が勝ったと確信して会場を後にした。この因縁の決着は3年後、今度は世界ヘビー級王座を懸けた再戦で実現する。この初戦の疑惑の判定が、タイトルマッチとしての歴史的価値を超え、語り継がれる因縁を生み出したのだ。
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