キャッテラル、王座奪取も次戦はロメロvsロペス次第
ついに世界タイトルを手にしたジャック・キャッテラル。だが、その喜びも束の間、彼のキャリアは今、思わぬ「待ち」の状態に置かれている。
5月、サウジアラビアのリングでサウスポーの英国人ファイターは、無敗のシャフラム・ギヤソフを相手に3-0の判定勝ち。WBAレギュラー級ウェルター級の空位王座を獲得し、文字通り世界の頂点に立った。ところが、その直後から状況は一変。キャッテラルは、次なる大勝負へと直進する代わりに、8月22日に予定されるローランド・“ローリー”・ロメロの防衛戦、対テオフィモ・ロペス戦の結果を待たざるを得なくなったのだ。
冷房ゼロで涼しいミニギアAirio Pro WBAはキャッテラルに対し、ギヤソフ戦勝利から180日以内に、ロメロvsロペスの勝者と対戦するよう義務付けた。つまり、彼は同団体の「スーパー王座」への指名挑戦者となったわけだが、その権利を手にしたことで、逆に自らの次の一歩が他人の手に委ねられることになった。
「Stay-busy(試合間隔を空けない)」のための試合を組む手もある。しかしそれには大きなリスクが伴う。もしそこで敗れれば、せっかく手にした世界王座の勢いは一瞬で消え去り、目の前にあるはずの王座挑戦の機会すら危うくなる。かといって、リングに上がらずに待ち続けるのも、決して得策ではない。特に、ウェルター級というボクシング界でも最も層の厚い階級ではなおさらだ。
147ポンド級の戦国時代は、今も動き続けている。デビン・ヘイニーはWBO王座を保持し、キーショーン・デービスが指名挑戦を辞退したことで防衛戦の相手も流動的。ブライアン・ノーマン・ジュニアも自身の王座を守り、ライアン・ガルシアやコナー・ベンといった超大物たちもこの階級に名を連ねる。そんな中で、キャッテラルに求められるのは「存在感の維持」だ。
デービスがヘイニー戦を追わないと報じられると、キャッテラルはすぐさまSNSで反応した。「Respect @Realdevinhaney but it’s time to get it on(ヘイニーには敬意を払うが、そろそろやろう)」と投稿し、ビル・ヘイニーをタグ付けして「Say the words(その言葉を言え)」と挑発。翌日には「I will get my shot(必ずチャンスをつかむ)」と短く、しかし強い決意を込めて綴った。
これらの投稿は、まさに彼の置かれた立場を象徴している。指名挑戦権は確かに手にした。だが、自らのキャリア最大のファイトを自ら動かすことはできない。全ては今月、ラスベガスで行われるロメロ対ロペスの決着次第。それまでは、どんなに歯がゆくとも、キャッテラルはリングの外で拳を握りしめて待つしかないのだ。
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