シーラズに試練!WBOがジャニベクとの防衛戦を指令、カネロ待望論に待った
スーパーミドル級王者ハムザ・シーラズに、大きな岐路が訪れた。WBOが元ミドル級統一王者ジャニベク・アリムハヌリを指名挑戦者に認定。シーラズは強敵との防衛戦を受け入れるか、あるいはベルトを手放すかの選択を迫られている。
WBOは8月7日付の裁定で、ジェイコブ・バンクの挑戦者資格申請を却下し、ジャニベクを正式な指名挑戦者に指定。両陣営には交渉期間として20日間が与えられ、合意に至らなければ入札に移行する。問題は、シーラズとプロモート元のクイーンズベリーがこの一戦を本当に望むかどうかだ。
冷房ゼロで涼しいミニギアAirio Pro ジャニベクはかつてWBO・IBFミドル級統一王者として君臨し、WBO王座を5度防衛した実績を持つ。しかしスーパーミドル級での試合経験は皆無。さらに過去のアンチドーピング違反によるWBOの資格停止処分が7月10日に解除されたばかりで、ファンの間では「階級を上げたばかりの選手がいきなり指名挑戦者になるのはおかしい」と不満の声も上がっている。裁定でWBOは「同機関は近接階級間で実績あるチャンピオンに特別な配慮をする歴史がある」と説明し、ジャニベクのタイトル記録、対戦相手の質、チャンピオンとしての経験を評価したと述べた。
競技面で見れば、ジャニベクは確かに危険な相手だ。実績のあるサウスポーで、パワーとタイミングに優れ、チャンピオンとしての経験値は168ポンド級のランカーたちを大きく上回る。シーラズはこれまで対戦相手のレベルが上がるにつれて脆さを見せてきた。ミドル級時代のカルロス・アダメス戦では物議を醸すドロー。オースティン・ウィリアムズ戦ではグラつかされながらもストップ勝ち。直近ではジーモン・ツァッヘンフーバーに12ラウンド苦戦を強いられている。ジャニベクはツァッヘンフーバーとは比べ物にならない格上の挑戦者だ。
皮肉なことに、ジャニベクに対する「階級を上げたばかりで実績がない」という批判は、シーラズ自身にも当てはまる。シーラズはアダメス戦のドローを払拭しないままミドル級を離脱。スーパーミドル級でも長いランキングを経ずにWBO王座を獲得した経緯がある。
シーラズにとって最大の難題は、リスクと報酬のバランスだ。シーラズはかねてからカネロ・アルバレス戦を熱望してきた。カネロ自身も「まずはIBF王者オスレイ・イグレシアスと戦って実力を示せ」と条件を提示しているが、シーラズはそのルートを取ろうとしていない。そこに割り込んだのが、カネロ級のファイトマネーが見込めない上に、キャリアを頓挫させかねない危険な指名挑戦者ジャニベクだ。
クイーンズベリーは、より好条件の試合がまとまる場合に備えて、特例申請やジャニベクとの「待った」交渉を模索する可能性がある。裁定文では、統一戦の機会や契約上の問題、スケジュール事情などに応じて将来の判断を留保する文言も盛り込まれている。しかし、ジャニベクに待ってもらうには相応の金が必要になる。
27歳の売れっ子チャンピオン、シーラズ。カネロの金を追い求める彼の前に、WBOは容赦ない選択肢を突きつけた。戦うか、ベルトを捨てるか。ボクシングファンにとってはこれ以上ない好カードだが、シーラズ陣営の計算は違う。ジャニベクはシーラズの夢を打ち砕く実力を持ちながら、見合う報酬をもたらさない。WBOが命じたこの一戦。果たしてシーラズはリングに立つ決断を下すのか。
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