伝説の誕生!21歳マッチョ・カマチョ、リモンに5回TKO勝ちで初戴冠
1983年8月7日、プエルトリコのエスタディオ・イラム・ビソーンに約1万人のファンが詰めかけた。この日、21歳のサウスポー、エクトル・“マッチョ”・カマチョが、自身初の世界タイトルマッチに臨んだ。相手は元2度の世界王者で、8カ月前にボビー・チャコンとの壮絶な4度目の対決で15回判定負けを喫したばかりのラファエル・“バズーカ”・リモン(29歳)。
WBCジュニアライト級王座は、チャコンが指名挑戦者カマチョとの防衛戦を実現できずに剥奪され、空位となっていた。リングに上がった瞬間から、二人の間に歴然たるスピードの差があった。リモンが大ぶりのパンチで距離を詰めようとするのに対し、カマチョは多彩な角度から襲いかかり、鋭いストレート左を再三ヒットさせる。
デニムに合う。履くだけで「ちょいワル」Tapoon 第3ラウンド終盤、カマチョのクリーンな左が炸裂し、リモンは初めてキャンバスに沈んだ。続く第4ラウンドもカマチョの猛攻は止まらず、リモンは深刻なダメージを負う。そして第5ラウンド。ボディ打ちで再びリモンをマットに沈めたカマチョは、立ち上がった相手を逃さず一気にラッシュ。ロープ際まで追い詰めた連打でリモンはロープの外に転がり落ちた。必死にリングに戻ったリモンだったが、レフェリーのリチャード・スティールが試合をストップ。タイムは2分52秒、カマチョのTKO勝ちで新王者が誕生した。
採点は3人のジャッジ全員がカマチョを支持。ディマス・ヘルナンデスは40-34、モイセス・シスターとエクトル・ショーモンは共に40-35と、4ラウンド終了時点でカマチョが圧倒的なリードを奪っていた。
試合直後、観客やトレーナー陣がリングになだれ込み、プエルトリコ中が新たな英雄の誕生を祝福した。若きカマチョが見せた圧巻のパフォーマンスは、後の世代のボクシングファンがほとんど目にすることのない、全盛期ならではの輝きだった。加齢とリングでの歳月がスタイルを変える前、カマチョは驚異的なスピード、反射神経、そして攻撃力を併せ持っていた。チャコンとの死闘を経験した鉄人リモンでさえ、21歳の天才の前になす術がなかった。
この勝利を皮切りに、カマチョは初防衛戦でラファエル・ソリスを5回KOで退け、その後階級を上げる。2年後にはWBCライト級王座も手中に収め、派手なキャラクターと卓越したスピードで複数階級を席巻。「マッチョ」の名はやがてボクシング界で最も認知される存在となった。すべては、このプエルトリコの夜から始まったのだ。
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