Czyzが完全支配!WBAクルーザー級V1、12回完封で鮮やか防衛
1991年8月9日、ニュージャージー州アトランティックシティのコンベンションホールで行われたWBAクルーザー級タイトルマッチ。王者ボビー・チズが挑戦者バッシュ・アリを相手に、まさに“ピッチング”さながらの完封劇を披露した。
5か月前にロバート・ダニエルスからスプリット判定で奪取したベルトの初防衛戦。元IBFライトヘビー級王者だったチズは、クルーザー級でもそのパンチ力を遺憾なく発揮。試合開始からジャブで主導権を握ると、強烈な右ストレート、アッパー、コンビネーションを次々と叩き込んだ。
これは高圧洗浄機と同等の強さで、電力不要BlastPro 挑戦者のアリはナイジェリア出身で、バシル・ローレンス・アリ、通称“ミスター・プレジデント”の異名を持つ異色のファイター。試合前には「いずれナイジェリアの大統領選に出馬したい。世界王座がその足しになる」と政治野心を語っていたが、リング上ではその夢の実現は遠く及ばなかった。
アリはクルーザー級でも自然な強さを持ち、驚異的な耐久力を発揮。顔面はパンチの痕跡で特に目の周りが腫れ上がったが、最後まで倒れなかった。チズが攻め込むと、アリは打ち合いを避けてクリンチで凌ぐ場面が目立った。
放送されたパンチスタッツは、チズの支配力を如実に示している。チズは733発中435発を命中させ、命中率は驚異の59%に達した。対するアリは約28%にとどまった。KOこそ生まれなかったが、ラウンドが進むにつれ勝敗は明らか。
ジャッジのジョン・ポテラ、ビニー・レイノーン、フィル・ニューマンはいずれも120-108のフルマークをつけ、レフェリーのスティーブ・スモガーが試合をコントロールした。12ラウンド、36分間すべてがチズのものだった。
この完勝により、トーマス・ハーンズとのビッグマッチ構想が再浮上したが、実現には至らず。チズは翌1992年5月にドニー・ラロンドを相手に再び12回判定勝ちで防衛を果たしている。
敗れたアリはベルトを奪えなかったものの、そのタフネスは高く評価された。その後もリングに立ち続け、政治活動や記録的なボクシングイベントの企画はナイジェリア国内で大きな話題を呼ぶことになる。
アリも大振りを何発か当てたが、チズは怯むことなく、より強烈なパンチで応酬。120-108のスコアが、この夜のすべてを物語っていた。
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